若き執行役員のマネージメント力を底上げしたICTCプログラム。「すごい会議」のノウハウを自社のナレッジに

株式会社イルグルム
設立:2001年6月4日
資本金:31,806万円(2024年9月30日現在)
従業員数:371人(グループ連結/2024年9月30日現在)
事業内容:マーケティングDX支援事業、コマース支援事業
「すごい会議」の効果を最大化させるため、社内会議におけるファシリテートの質の向上を図った
はじめに貴社の事業内容や、廣様のお立場を教えてください。
廣:イルグルムはデータとテクノロジーによって世界中の企業のマーケティング活動を支援し、売り手と買い手の幸せをつくる」というビジョンを掲げており、マーケティングDX支援事業とコマース支援事業の2領域で事業を展開しています。
私は2016年に新卒でイルグルムに入社し、代理店営業や人事戦略室の室長、アドエビス事業推進本部の副本部長を経験した後、今年(2024年)の10月に執行役員に就任しました。同時にマーケティングDX推進本部の本部長として、50名程度の組織を統括しています。
貴社と「すごい会議」の出会いを教えていただけますか?
廣:「すごい会議」は以前から導入をしており、初めから鈴木さんにファシリテーターを務めていただいていました。長年すごい会議を運用するなかで、意思決定のスピードや品質の向上に多大な効果がもたらされることが十分にわかり、社内で「すごい会議はイルグルムの成長に欠かせないものである」というコンセンサスが取れていたんです。
「すごい会議」を導入されていた貴社がICTCプログラムを受講しようと思った理由とは?
廣:鈴木さんには月に1回セッションのファシリテーションをお願いしていましたが、その場では社内のタスクの進捗状況をすべて管理することはできないため、社員だけでの進捗状況を確認する会議を週に1回実施していました。しかし、鈴木さんのようにファシリテーションができる人材がおらず、社員だけではスムーズな進行ができないという課題に直面しました。これでは社内の進捗管理はもちろん、次月のセッションまでの期間を有意義に過ごすことができません。
解決策を模索する中で、鈴木さんへの依頼頻度を増やす、別のコーチの方に依頼してすごい会議の回数を増やすという選択肢もありました。しかし、「すごい会議」を発注し続ける考え方だと、いつまで経っても社内にノウハウは残りません。そこで、長期的な投資という目線から「ICTCを受講して、社内でファシリテーターを育成する」という選択肢が最適だという判断になりました。
ICTCプログラムは貴社から廣様を含む2名が参加されましたね。廣様自身がICTCプログラムを受講する以前に感じていたファシリテートの課題はありましたか?
廣:ICTCプログラムを受講する以前、2018年頃は営業部のマネージャーとしてチームの運営を任されていましたので、会議の場ではファシリテートをする立場でした。しかし、売り上げを達成するための作戦会議ではメンバーから思ったようにアイデアが出なかったり、逆に様々なアイデアが出てもどの案を採用すべきか意思決定の軸がなかったり、どのように進行すれば良いのかがわかりませんでした。

ICTCで学んだコーチングやマネージメント理論を実践することで、会議の雰囲気が激変
実際にICTCプログラムを受講してみて、率直な感想をお聞かせください。
廣:ICTCプログラムを受講してみて、「すごい会議」とは先人が築き上げてきた理論を体系的に学べる場なんだと気がつきました。コーチングやマネージメントの理論が軸になっていると知ったことにより、鈴木さんのセッションを振り返って「この局面ではマネージメント論の大家ピーター・ドラッカー氏の理論に基づいて質問することで参加者のエンゲージメントを高めていたんだ」など、発言の真意に納得することができました。
ICTCプログラムを受講されてから、実際に会議のファシリテーションの質は変わりましたか?
廣:はい、劇的に変わったと思います。「すごい会議」のメソッドとして学んだことはたくさんあります。わかりやすい例を挙げると、「アイデアが出てこない」という課題に対しては、「否定しない」という思考がとても有効でした。否定したり、自分の解釈を加えたりせず、まずは出てきたアイデアを受け止めるという姿勢でメンバーの意見を傾聴しました。その結果、会議の雰囲気がガラッと変わったんです。
また、「会議の意思決定者を明確にする」ということもICTCで学んだ重要なポイントです。ファシリテーターはあくまで会議の進行役であって、意思決定はその会議に参加しているメンバーの役割であるべきという考え方です。私が1人でファシリテートも意思決定も全部やろうとするととても大変ですが、意思決定を部門長など別のメンバーに委ねることで、私は会議を円滑に進めることに集中できるようになりました。
「想像の100倍凄かった」ICTCのカリキュラム。その驚きの内容とは?
ICTCプログラムのカリキュラムはいかがでしたか?
廣:専任の担当講師がいて、カリキュラムは膨大なテキストの暗記とロールプレイングとペーパーテストで進んでいきます。想像していた100倍作り込まれた内容で、素直に感動しました。
ロールプレイングではコーチとしてのトークを一言一句覚えなければならず、自分なりにアレンジするのは一切NG。例えばコミットメントを求めるような質問をするときは一人ひとりの顔を見て「約束しますか?」と全員に問うなど、所作までとても細かく決められています。
最初は驚きとともに違和感すら覚えました。しかし講師の方から「茶道や花道、柔道、これらには全て“型”がある。ファシリテートも確かなメソッドに基づき、型通りに行うことで、どんなときも活かせる汎用的かつ実践的な手法を習得できる」といった説明を受け、その言葉にすっかり洗脳されてしまいました(笑)。
特に印象に残っているカリキュラムはありますか?
廣:ICTCに参加する他の企業の方と20名ほどでペアワークやセッションを行ったことが印象に残っています。業種も役職も年齢も全く異なる方達とコミュニケーションを取り、それぞれの会社の状況を話したり、課題を打ち明けあったりすることで、自社のことを俯瞰してみることができる非常に良い機会でした。

ICTCの受講実績が社内でのプレゼンス向上のきっかけに
廣様は通常半年程度で合格する人が多いICTCのテストを、なんとわずか1ヶ月半で合格されましたね。合格後、社内での反響はありましたか?
廣:ICTCのテストに合格したことで、確実に社内でのプレゼンスは向上したと思います。幹部から直々に、経営管理本部が実施する重要な会議のファシリテーションを任されたり、会議のファシリテーションをするためだけに大阪本社へ出張をしたり、チームビルディングで悩んでいるマネージャーから相談を受けたりと、各方面から求められるようになりました。自分にとっては専門外であるエンジニアのミーティングでのファシリテーションを任されたこともあります。どんな分野においてもファシリテートできる人材になれたことは、自信にもつながりました。
素晴らしいお話です。廣様がICTCを受講されたことが、若くして執行役員に就任した道のりのなかで重要な意味があったと捉えると、我々も大変誇りに思います。
廣:ICTCを受講するまでは「会議のファシリテーション方法を学べる」ことに期待していました。しかし、カリキュラムを全て終えた今では、「マネージメントの体系を学ぶなかで、ひとつの手段として会議のファシリテーションが身についた」と私のなかで整理しています。
実際にICTCで学んだ「質問や傾聴のノウハウ」「自分の心に蓋をせずにフィードバックするテクニック」などは、会議のファシリーテーション以外の場所でも、メンバーとの1on1など、マネージメントのさまざまな場面で活かされています。
「すごい会議」は、成熟期から更なる成長を目指す企業のカンフル剤に
最後に、「すごい会議」について、廣様はどのような企業におすすめしたいですか?
廣:あくまで私の主観ですが、一度急成長を果たしてから成熟気味で、そこからさらに成長したいと考えている企業におすすめしたいですね。「すごい会議」を行うメリットは、新しいアイデアを出し、迅速に実行できる方法を見つけられることだと思っています。
アイデアをすぐに実行することはアーリーフェーズのスタートアップ企業だと当たり前にやることでしょう。しかし、成熟した企業の場合、組織の壁が出てきたり、一過性の単調なアイデアでは突破できない課題が出てきたりします。それを解決していくためには、様々なアイデアを早いサイクルで回す必要があります。「すごい会議」のメソッドはまさにそうした課題の突破口になり得るはずです。
またスタートアップ企業では経営者がすべての重要な判断を行うことが一般的ですが、組織が少し大きくなってくると、権限を委譲し、部下に判断を任せる必要が出てきます。「すごい会議」は、言わば「決めるためのツール」でもあります。部下が正しい方法で意思決定を行えるノウハウを提供するため、経営者も安心して権限委譲できるのではないでしょうか。そのようなステージにある企業にもおすすめしたいです。
